16歳から長年農業を続けている天野克司さん。20年ほど兼業農家だった時期もありましたが、「農業の仕事だけは絶対に続けよう」と決めて、現在の82歳まで一度も辞めることなく農業を続けてきました。「野菜は手入れしたらしただけ返ってくる。育っていくのが楽しみ」と天野さん。「失敗しても最後まで育ててみるのも勉強」と農業に対する姿勢は、今も変わっていません。 約60年間、ネギ専門農家だった天野さん。そのふぁに出荷を始めた昨年からは、多品目の野菜作りに励んでいます。今の時期は、ほうれん草、ブロッコリー、人参などを中心に、夏にかけてキュウリ、ナス、いんげん、じゃがいもなどを出荷しています。天野さんの野菜は、新鮮なのはもちろん、お客さんの目線に立った良心的な価格も魅力です。 手作業で畑を耕し、自転車で市場に出荷していた、機械や車がなかった時代を生きて来た天野さんが、若い世代に知ってほしいのは「食べる物を自分で作ることができれば、大変な時、どこでも生きていける」ということ。終戦後の食糧難も経験してきた天野さんならではの、農業や食べ物の大切さがしみじみと伝わる貴重な言葉でした。