暮らし情報

コロッケの富松

記憶にしっかり残る、変わることのない味。
素材にこだわり、手間を惜しまず作る

 コロッケやメンチを買おうと、お店の前には行列ができる人気のお店、コロッケの富松。学校帰りの学生、仕事帰りのサラリーマンやOL、主婦、お年寄りまで多くの人に長年愛され続けています。
 富松がお店を開いたのは昭和33年、50年の歴史があります。開店から変わない素朴な味は『そのまま食べて美味しいように、素材を生かして作ること』を守り続けてきました。
 美味しいものを作るためには『素材を守る』ことが大事だと店主の吉田さんは言います。新鮮であることはもちろん、産地にこだわった素材を使うことを大切にしています。揚げ物には欠かすことのできない油にもこだわり、良いものを使用しています。
 もう一つ大切にしているのはお客さんの状況を見て作ること。一度に作る数を調節して何度も何度も作ります。出来立ての美味しさを届けたいからです。作り置きをしないために、仕込みや手間が多くなり、お店を開けている間は大忙しです。それでもお客さんの喜ぶ顔を見るために、労を惜しまず作っています。
 コツコツ手間を惜しまず積み上げる努力で鮮やかな黄金色の富松のコロッケは出来上がっています。

食べる人の記憶に残る忘れられない味

 お店を長く続けていると懐かしいお客さんも訪れると言います。昔からお店を利用していた人が、いわきを離れてからも「あのお店まだ続けてるかな?」と気にかけ、里帰りをした時にお店に顔を出してくれるそうです。
 毎日の食卓に並ぶことが多いコロッケやメンチだけに、富松のコロッケの味は、いわきを離れても忘れられない味として記憶に残っています。「店を覚えてくれていたり、気にかけてくれることは本当にありがたいことです。食べてくれる人への感謝を忘れずに、体力の続く限りお店を続けていきたい」と吉田さんは話してくれました。
■いわき市平字田町7-2
■TEL.0246-21-2681

この記事は2009年1月号に掲載されたものです。掲載当時と内容が異なる場合があります。ご了承ください。

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